2014/07/16

【不真面目の罪】



唐突ですが、ひとつ質問です。自問自答して下さい。答えは誰にも言う必要のない質問ですので、素直に、謙虚に、誠実に、文字通り自問自答して下さい。

【 あなたはオケを、真面目に遊んでいますか?】
【 それとも不真面目にやり過ごしていますか?】


真面目に遊ぶとは、どういうことでしょうか。

音楽に自発的に対峙し、関心を持ち、技術が上手くなりたい、表現の幅を広げたい、今よりもっと音楽性を高めたい。そのような動機を持って個人練習に励み、CDラジオなどの音楽ソフトを聞く。好みの作曲家を見つけ、伝記を読んだり他の作品を聞いたりして、新たな分野に踏み込む。わかるわからないはともかくスコアを広げ、音作りを考え、自分なりの曲への思いや根拠を求め、それぞれの歩幅で音楽というものに接近していく。そして日に日に音楽を身近なものとしてとらえ、自信や自覚が芽生え、個人練習だけではなく弦SecやTuttiの場で積極的に楽器を鳴らし、前向きなモチベーションを発現する。結果的にあらゆる面でオケ奏者としてのポテンシャルが上がり、真の意味で「オケが楽しい」という実感を得る。…僕が思う「真面目な遊び」は、こういったイメージです。

では逆に、不真面目にやり過ごすとは?

楽器を触るのは好きだが、練習はぶっちゃけ面倒だ。苦手な部分を何度も反復してると気が滅入るし、弾けるところだけさらっておいて練習した気分になろう。努力してもすぐにはうまくなんかならないし、全体練習で恥をかかない程度にさらっておけばいいだろう。弾ける人の陰に隠れて、とにかくバレなければそれでいいだろう。それでも舞台に乗ってカッコつけることはできるんだし、何となく感動もできるだろう。地道な練習は修行みたいなものだし、楽しむためにオケに入った当初のポリシーにもとるんだから、うわっつらだけ楽しんでおけば自分は満足だ。…いささか極端に書きましたが、こういったところでしょうか。

さて、自問自答の結果、あなたはどちらですか?

高いところから講釈を垂れるような物言いをしていますが、何を隠そう白状すれば、ほんの少し前までの僕は後者の部類でした。無論、首席Violaを務めていた頃は、責任感から前者のつもりでいましたが、今振り返れば不真面目にやり過ごしていたフシも多々あったのが本当のところです。当時は気がついていなかった。不真面目であることが、自分自身に嘘をつくことのみならず、他の真面目な仲間にいかに負担を強いるものであったかを。

同一人物の中でも、時に真面目で時に不真面目ということがあると思います。よりよいオケとして機能していくためにも願わくば、常に、すべての奏者が、どうか真面目に遊んでいますように。

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